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鼻音/ŋ/の音を聴いてみる
/ŋ/は有声・軟口蓋・鼻音です。
以下の子音チャートでその位置を確認してみましょう。
両唇 | 唇歯 | 歯 | 歯茎 | 後部歯茎 | 硬口蓋 | 軟口蓋 | 両唇軟口蓋 | 声門 | ||||||||||
無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | 無声 | 有声 | |
破裂 | p | b | t | d | k | ɡ | ||||||||||||
摩擦 | f | v | θ | ð | s | z | ʃ | ʒ | h | |||||||||
破擦 | ts | dz | tʃ | dʒ | ||||||||||||||
鼻 | m | n | ŋ | |||||||||||||||
側面 | l | |||||||||||||||||
接近音 | r | j | w |
/ŋ/ は「グ」ではありません。
/ŋ/ は 日本語のンガ行(ŋaンガ, ŋiンギ, ŋuング, ŋeンゲ, ŋoンゴ)の /ŋ/だけの音です。
でも /ŋ/ だけの音といってもピンときせんよね?
早速、どのようにして/ŋ/の音を作るのか、以下みていきましょう。
音の作り方
使う場所: 軟口蓋(のどちんこ周辺)と後舌(下の付根)
音の作り方:口を軽く開けて、後舌を盛り上げて軟口蓋に付けた状態で声を出す
息の経路: 声を出している時に息が鼻から出ていることを確認しましょう
筋肉: 舌の付根を盛り上げる時に少し筋肉を使います
音色: /ŋ/だけの音はカタカナで表記できませんが、「ンガと言う直前のンの音」
と考えるとわかりやすいです。「ンガ」と言う前に舌の付根を軟口蓋に当てて声を出してみましょう。
それが/ŋ/の音です。
名称と分類
名称: /ŋ/
分類: 鼻音
声の有無:有声音
/ŋ/ を含む単語
【注意点】
●スペルと発音記号の関係: 上段=スペル、下段=発音記号を照合しましょう。
●1マス1音節: 例えばsingerは2マスあるので2音節となります。
●アクセント: 大きい文字の音節を強く読みます。
語末の/ŋ/ sing
スペル | sing |
発音記号 | sɪŋ |
※シングの「グ」を言う手前で止めた状態で「シン」と発音する。
語中の/ŋ/ singer
スペル | sing | er |
発音記号 | sɪŋ | ɚ |
※/ŋ/に後続する母音/ɚ/があるので、シンガーと聴こえるが「ンガー」の部分を鼻から息を出す意識をする。
語末の/ŋ/ singing
スペル | sing | ing |
発音記号 | sɪŋ | ɪŋ |
※1音節目の/ŋ/は後続する母音/ɪ/があるので「ギ」と聴こえるが「ンギ」と発音することを意識する。
※2音節目の/ŋ/は後続する母音がないので「ング」の「グ」の手前で止めることを意識する。