hot tea : 子音+子音は前の子音が脱落する
英語読み:ハッティ―
日本語読み:ホット・ティー
音声にスペースはありません
スペースは文字を書く時に、単語の境界線を明確にするためのものです。
文字を音声にした場合、連続した一連の音となるのでスペースは無いということを知識として持っておくことが重要です。
ただし、意図的に強調したい場合や、単語を1つ1つ明瞭に発音するよう指示がある場合はスペースで切ることもありますが普通の会話でわざわざ切ることはありません。
音素レベルで確認すると、連結部分がクリアになります
発音記号を1つ1つセルの中に入れてみると音の成り立ちがクリアになります。
スペル | h | o | t | t | ea |
音素 | /h/ | /ɑ/ | /t/ | /t/ | /i:/ |
それでは、音素毎に正しく発音ができているかどうか確認してみましょう。
音素とは、音声の最小単位、つまり音声の土台となる要素です。ここがぐらついていたら当然、積み上げた音(単語やセンテンス)は不安定になりますよね。ですから先ずは土台を固める作業に力を入れましょう。
/h/ :寒い時に「ハー」と手に息を吹きかけるときの音です。詳しくは/h/専用ページでご確認ください。
/ɑ/ :大きく口を開き喉の奥から出す「ア」です。詳しくは/ɑ/専用ページにてご確認ください。
/t/: 舌先を歯茎に当てた状態で息を溜めてから勢いよく吐き出す「息だけのタッ」に近い音です。詳しくは/t/専用ページにてご確認ください。
/i:/:口を横にグーっと引く「イィ」です。詳しくは/i:/専用ページにてご確認ください。
音素の下にカタカナで英語に近い音を書いてみましたので1つずつ発音してみましょう。
スペル | h | o | t | t | ea |
音素 | /h/ | /ɑ/ | /t/ | /t/ | /i:/ |
近い音 | 息だけのハ | ア | 息を吐かないタ | 息だけのタ | イィ |
hotとteaを別々に発音する場合は/t/を明瞭に発音しますが、ここでは連続する子音/t/の前の子音/t/が脱落するので「ハッティィ」となります。
同じ/t/ですが、前の/t/は息を吐かない(閉鎖音)ため聴こえません。後の/t/は息を吐く(破裂音)ので聴こえますから/t/が1回しか聴こえない、ということになるのです。
実は/t/には5種類もの発音の仕方があるのです。
この記事では、5種類のうちの①破裂音の/t/と②閉鎖音の/t/を学びました。
他の3種類の/t/については、別途記事を書く予定なのでお楽しみに☆彡
hotはイギリス英語とアメリカ英語でかなり異なる
本サイトではアメリカ英語ベースを基準にしておりますが、イギリス英語と比べてみましょう。イギリス英語の方が日本語読みに近いですよね?
イギリス英語 /hɒt/ ホッtに近い音
/ɒ/は縦に大きく口を開けて喉の奥から出す「オ」
イギリス英語で主に使われる発音記号です。アメリカ英語を勉強されたい方はあまり覚える必要がないですが、アメリカ東部でも/ɒ/を使う地域もあるので知識として持っておくと良いでしょう。
アメリカ英語 /hɑːt/ ハーッtに近い音
/ɑ/は縦に大きく口を開けて喉の奥から出す「ア」
アメリカ英語で主に使われます。ざっくりいうとシカゴから西の地域で使われていると考えれば良いかと思います。hot単体での発音は/hɑːt/のように伸ばす音になっていますがhot teaと2語連続する場合は/hɑt/ のように長音記号/:/は無くなり音を伸ばしません。
発音記号を繋げると脱落(Reduction)の場所がクリアになります
発音記号を繋げると、薄いグレーにした/t/が脱落する音、つまり「息を吐かないタ」に変化するのが分かりますよね?
/hɑtti:/
ここで注意したいのは、脱落した/t/が全く発音されないわけではない、と言う点です。「息を吐かないタ」に変化しただけなので元々/t/があった場所で、発音はされないけれど/t/の痕跡が残っています。ハッティィの「ッ」の部分が脱落した/t/に当たると考えれば良いですね。
hot teaの場合、連続する子音 “tt”がスペルで確認できるので分かりやすいですが、英語はスペルと音声が一致しないケースが多いです。正しい音声を知るために今後は発音記号をチェックする習慣をつけていきましょう。
語末の/t/を「ト」と読まない
ここを押さえておかないとその他の発音もことごとく日本語読みになってしまいますので要注意です。同様のパターンを数種類挙げておきますのでご確認ください。
英語 | 日本語読み | 英語読み |
want to | ワント・トゥ | ゥワントゥ |
put together | プット・トゥゲザー | プットゥゲザー |
wet towel | ウェット・タオル | ウエッタゥォ |
short term | ショート・ターム | ショーターm |
at two | アット・トゥー | アットゥゥ |
※termの語末の/m/は「ム」ではありません。
唇を閉じて声を出す音が/m/の音です。
ですから「ム」と書いた時点で/mu/のように余計な母音/u/が含まれてしまうので本来の音と乖離してしまいます。そのような理由で語末の/m/はカタカナで書いておりませんことご了承願います。/m/の音を詳しく知りたい方は/m/の専用ページをご一読くださいませ。
お断り:「英語読み」は「英語に近い読み方」とご理解ください
日本語に無い音をカタカナで表記するには限界があります。実際の音声はCambridge Dictionaryのネイティブ発音を聴くことをお勧めしますが、hot tea という2語で確認することができません。hotの音声を聴いて、teaの音声を聴いたとしても脱落部分の音声は分からないですよね?
そのようなときは Connected Speech専門のElena’s English Academyにご連絡ください。何度聴いても分からない、もつれた糸のように絡まった音を1つ1つほぐし、再度連結させるテクニックを懇切丁寧にご説明させていただきます。
その過程に於いて限りなくネイティブに近い発音ができるようにトレーニングをさせていただきますので発音の問題を1つ1つクリアしていきませんか? Connected Speechにはパターンがありますから、パターンさえ押さえればどのような組み合わせでも対応できるようになりますよ。