Flappingはアメリカ英語の典型的な特徴
Flap T はアメリカ英語で起こる現象であり、イギリス英語では通常の/t/として発音されます。アメリカ英語では普通に使われる音なので、知識として持っておかないと簡単な単語でも聴き取れないという問題に直面してしまいます。よりよく聴きとるためには、自分自信で発音できるようになることをお勧めします。
Flap Tの国際音声記号は /ɾ/
専門的なFlap Tの発音記号は /ɾ/ です。
以下のように拡大して/r/と比較すると縦線の上側が無いのが分かりますね?
Flap T | R |
/ɾ/ | /r/ |
一般的な辞書でFlap Tは / t̬ / や / ṭ / のように表記されています。
注意して見ないと発音記号の下部の小さな記号など見落としがちですよね?
国際音声記号の /ɾ/ は、学術的に英語以外の言語との区別をする目的で作られた記号なので、一般の学習者には馴染みがありませんし/r/と似ているので混同し易いですよね? だから一般の辞書では / t̬ / や / ṭ / と表記した方が分かりやすいという理由もあり、わざわざ/ɾ/を使っていないのだと思われます。
Flap Tは どんな音?
私は、Flap Tの音は「柔らかい/d/」と説明をしていますが様々な説明を総合して多方向から理解すると良いでしょう。
例えば日本語の「ラ行」と「ダ行」の中間音、又は、/t/と/d/の中間音とも言えます。日本語に無い音ですが練習をすればできるようになります。
Flap T の音の作り方 (口の部位と動かし方)
口の中の使う部位は「舌尖」と「上歯茎」です。
※舌尖=舌の先端
※上歯茎=上前歯の裏側辺り
舌先で上歯茎を弾くように接触させて声を出す音です。舌で上歯茎を弾くような動作から「弾き音」という名称がついています。声が出るので Flap Tは「有声音」です。
Flap Tが起こる条件① 母音と母音の間に/t/が挟まれる時
母音と母音の間に/t/が挟まれる時にFlap T現象が起こります。
例)赤色の部分を「Flap T=柔らかいd」で発音してみてください。
water /ˈwɑːt̬ɚ/
writer /ˈraɪt̬ɚ/
better /ˈbet̬ɚ/
Flap Tが起こる条件② 母音と有声子音の間に/t/が挟まれる時
母音と有声子音の間に/t/が挟まれる時にFlap T現象が起こります。
有声子音とは、声が出る子音のことで /l/, /m/, /n/,/g/ ….など多数ありますがFlap Tが起こる有声子音は殆ど/l/です。
例)赤色の部分を「Flap T=柔らかいd」で発音してみてください。
metal /ˈmet̬l/
little /ˈlɪt̬l/
title /ˈtaɪt̬l/
どうしてFlap T現象が起こるのか?
通常の/t/は無声音です。
前後が有声音の場合、「有声音」「無声音」「有声音」という並びになりますと、音を続け難いんですよね。
Flap T (柔らかい/d/)に変化させると/d/は有声音ですから「有声音」「有声音」「有声音」という並びになり、発音し易くなるという、ただそれだけのことなんです。
Flap Tなどの音声変化は発音し易くした結果なのです!
ネイティブ話者はわざわざ「Flap Tの音を作ろう!」と思っているワケではなく、その方が発音し易いから結果的にFlap Tになった、という結果論なのですが私たちはこれらの音を知識として先ずは知り、実際に使えるようになるまでにある一定の練習量が必要です。
ネイティブ音声を良く聴いて完全耳コピするつもりでFlap T(柔らかい/d/)で練習してみてくださいね(^▽^)/