教材「Steve Jobs」で発音矯正 get out of で連結・Flap T・/v/の弱化を学びました

    この記事を書いてくださった受講生様のプロフィール

    イニシャルSEさん
    性別女性
    年代50代
    職業ナレーター
    もっと詳しいプロフィール記事下をご覧ください

    本レッスンは「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」を教材に発音矯正レッスンをしています。

    目次

    /ʃ/と/tʃ/の違いを「音声」と「正面からの形」と「口の断面図」で学びました

    SEさん

    前回の練習課題は文「Today, for the first time ever, I’d like to let Macintosh speak for itself.」を今日のレッスンで確認していただきました。

    自習で音声認識した際、Macintosh(/ˈmæk.ɪn.tɑːʃ/)がlet neck and touchと誤認識されたので、その原因をElena先生が解明してくださいました。

    Macintoshの語末は継続音(ʃ/)なのに対し、touch(/tʌtʃ/)の語末は非継続音(/tʃ/)でしたので、/ʃ/という同じ音素が含まれていても継続音では吐く息が継続していることを、非継続音では吐く息が瞬時に終わることを相手に認識させなければならない!との違いをSounds Americanの音素一覧表の動画で確認しました。 

    さらに深掘りし、子音には継続音16種類(摩擦音9、鼻音3、l.r.w.jの4)と非継続音10種類(破擦音)に分類でき、それぞれの違いを細かく聞き比べました。

    それを踏まえると、上記一文を音読する際、Macintosh語末で継続音と意識せず短かったように思いました。そして息の量や長さまで正確に捉えることの大切さを学びました。

    Sounds Americanというサイトの音素一覧表は口の開け方の度合いを数字化していたり、息の量なども明確に聞こえElena先生のオススメでもあるのでしっかり活用していきたいと思います。

    講師Elena

    SEさん 

    いつもレッスン受講と、感想文のご提出有難うございます。

    Sounds Americanの音素一覧表は以下の3点が確認できる
    優良サイトです。

    ・音素ごとの音声
    ・音素ごとの正面から見た口の形
    ・音素ごとの口の断面図

    正面の顔では口の「狭さ・広さ」、「横・縦・丸」
    の形を確認し、断面図では呼気の通り道や、有声・無声の
    区別、舌の接触・非接触、舌の形などを確認してください。

    とても素晴らしいサイトですが、やはり舌や唇の細かい
    動きや形は本物の人間の映像と照合した方が良いです。

    各音素のイラストとMRI映像を併用するのがベストです。

    ぜひフル活用してくださいね!

    強形よりも弱形の方が声量・呼気の量のコントロールが難しいと学びました

    SEさん

    Macintoshがクリアでき音声認識も全文OKになりましたが、次の段階としてネイティブ音声通り、意味の塊で切るところ、強調するところをもっと真似るようにご指摘いただきました。

    toや I’dのように聞き取れないくらい小さな声の箇所を真似ると、そこを認識されないこともあり、弱形の方が難しいこともわかりましたので、聴こえない音をどう出すかも今後の課題として取り組みたいと思います。

    またI’d like~と、/d/ → /l/ は調音点が同じで、舌先を歯茎から外さず、
    /l/に移行する流れをMRI動画も使いわかりやすく説明していただきました。

    また同じ有声音でも語末は弱く、語頭は強くという声の大きさのコントロールの必要性も理解できました。

    次の一文「Hello I’m Macintosh it sure is great to get out of that bag」ではget out ofを連結させることに目が向いてしまいましたが、
    outではしっかり腹筋を使って二重母音を意識するようアドバイスをいただきました。 

    色んな角度から日本語との違いを学び、ネイティブ音声を真似て行きたいと思います。今日もありがとうございました。

    講師Elena

    とても良いポイントに気付きましたね!

    そうなんです、実は発音が難しい部分は「弱形」
    であることが多いんです。

    一般的に「自分が発音できない音は聴きとることが
    できない」と言われています。

    ということは裏を返せば「自分が発音できる音は
    聴き取れる」ということになりますよね?

    ということで私のレッスンでは以下のステップを
    踏み、以下のように段階を追って全ての英語の音を
    発音できるようになっていただきます。

    ①音素単位で音の出し方を習得
    ②単語単位で音の出し方を習得
    ③文単位で音の出し方を習得

    SEさんは既に①と②を卒業されていますので、
    単語単位での音声認識は殆どできるようになったと
    思います。

    でも、難しいのは「繋げること」ですよね?
    繋ぎ目で起こる音声変化のパターンは気が遠くなるほど
    有るように感じますが、実は有限です。

    get out of の音声変化を発音記号で書くと
    以下のようになります。

    ①/ɡet/ /aʊt/  /əv/ 
    ・単語単位の発音記号

    ②/ɡeddəv/
    ・/v/が聴こえないレベルで弱化
    ・Flap Tを柔らかい/d/(*1)で表現

    *1 Flap Tの精密表記は[t̬]ですが、薄い/d/の方が
    視覚的に音色が分かり易いので敢えて使用。

    ③/ɡedaʊdəv/
    ・オレンジ色下線は「連結」部分
    ・/a/の文字を他より大きくして強弱を表現


    アメリカ英語では母音に挟まれた/t/はFlap Tに
    変化し、その他「連結」や「弱化」が起こるので
    「get」「out」「of」という元の音から
    かけ離れた音になります。


    「ゲット・アウト・オブ」ではなくむしろ
    「ゲラゥラ」のように聴こえるはずです。

    自分が期待する音と、実際に聴こえる音がかけ離れていると
    同じ言葉だと認識できないんですよね。

    でもget out ofをは「ゲラゥラ」と発音練習しておけば
    相手が「ゲラゥラ」と言ったら瞬時に「 get out of」 と
    結び付くんです。

    慣れてくると無意識レベルで分かるようになりますから
    このレベルを目指していただきたいと常々思っています。

    先ほども触れましたが、このような音声変化は
    数に限りがありますし、パターンがあるのでコツさえ
    掴んだらこちらものです。

    コツコツと「できる」を積み上げていきましょうp(^^)q

    受講生SEさんの詳しいプロフィール

    20年前より参加している映画祭イベントでは毎年海外からゲストを迎え、話す機会がありつつ英会話力の未熟さを痛感。数々の英語教材を購入してみるも向上は感じられずに停滞。そんな中2015年ドーハで開催された映画祭サミットに日本代表として参加でき、やはりもっと自由に交流を楽しみたい!と意欲が再燃。そのころにはオンラインでの英会話スクールが色々出始めていて外国人講師との生きた会話や毎日英語を口にする重要性を体感。そして次に韓国の映画祭では審査員として参加するも自分の発音に確信がなく、「正しい発音」を習得したいと思っていたタイミングで出逢ったのがElena先生の発音矯正(2019,1~)です。その時も今も変わらぬ目標は、また海外の映画祭に参加してみたいですし、英語を使って色んな方との交流を深めていきたい!です。

    本レッスンは「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」を教材に発音矯正レッスンをしています。

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