受講感想 22.11.27 実践上級コース 教材「CNNが振り返るジョブズの功績」母語を理解し、外国語と比較することで理解が深まることが分かりました

    この記事を書いてくださった受講生様のプロフィール

    イニシャルSEさん
    性別女性
    年代50代
    職業ナレーター
    もっと詳しいプロフィール記事下をご覧ください

    本レッスンは「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」を教材に発音矯正レッスンをしています。

    目次

    /z/と/dz/の違いを論理的に理解し、実践を通して発音できるようになりました

    SEさん

    今日はP12最後の1文「Jobs will become chairman of the board while the company he started enters a new phase」音声認識からスタートしました。

    この中で前回「enters a」の連結を学んだので試みるも「enter the」となってしまっていました。Elena先生より「連結部分/ˈεn.t̬ɚ-zə/の/z/=隙間を通る音であり、/zə/をズァのように発音してみてください」とのアドバイスを受けました。 

    そしてthe/ðə/の舌の動きをMRI動画で照合し、舌先が前歯に軽く接触していて、隙間が殆ど無いところを呼気が無理やり通るのだと、摩擦音と/z/の違いも確認出来ました。

    更に日本語の「座敷」を例えとして、私達が「ざしき」と言う場合は語頭部分は破擦音/dz/と発していて、「おざしき」と「ざ」が語中の時は摩擦音/z/と変化させているとの説明は、とてもわかりやすかったです。

    講師Elena

    SEさん いつも受講有難うございます!

    確かに enters a を連結させると「エンターザ」のように発音しますが、カタカナで書くと細かい違いが表現できないので発音記号で確認しましょう。

    日本語の「ザ」は/dza/のように発音されることがことがありますが/dza/に相当する英単語はありません。この文脈において/dza/の音に近いのがthe /ðə/なので、enter theと誤認識されたと分析しました。

    enters a を発音記号で書くと/ˈεn.t̬ɚ-z/ /ə/ですが連結するので
    /ˈεn.t̬ɚ-zə/となりますよね? /zə/に着目すると/dza/ではないことが明らかですね?

    では/z/はどのように発音すべきかというと、歯茎と舌尖の間の狭い隙間から呼気を継続的に出す必要があります。the/ðə/の誤認識の元と推測した/dz/の場合、/d/で一度呼気を貯めてから/z/で出しています。

    /ˈεn.t̬ɚ-zə/のように /zə/と発音する場合は「最初から」息漏れするようなイメージで「ズァ」と発音してみるとできましたね?「ザ」より「ズァ」の方が発音し易いことも体感いただけたかと思います。

    せっかくなので誤認識された/ð/の調音点も/z/と比較すると、違いが良く分かりましたね? 物事を学ぶとき、発音に限らず、似ているものを視覚的に比較すると、違いが明確化できますよ😊

    母語を理解し、外国語と比較することで理解が深まることが分かりました

    SEさん

    今回のレッスンでは、母語を知ることの大切さも振り返ることが出来ました。Elena先生が「母語を理解するほど外国語との違いがわかるようになる」とおっしゃっていたのも奥深いなあと思いました。

    講師Elena

    そうなんですよね。

    私自身、日本語教師の資格を取るために420時間コースを受講したのですが、日本語について学べば学ぶほど外国語に対する理解が深まりました。

    様々な科目がある中で、特に興味を持ったのが「日本語音声学」でした。それまでは発音教材の顔の断面図を見てもいま一つ理解ができていなかったのですが、日本語音声学を受講したお陰で100%理解できたんです。

    実は、大学時代に中国語を第三言語として履修していたのですが、発音の段階で「これは無理だ」と諦めてしまいました。発音で躓くと文法もやる気がなくなりもちろんテストの結果はボロボロでした(笑) こんな感じだったので今後の人生で中国語を話す事は無いだろう、と決めつけていました。

    ところが! 
    20年後、勤務先から中国駐在を任命され、大学時代に諦めた中国語に再チャレンジすることに! 会社経費で100時間中国語レッスンを受講できたので、現地で語学スクールに通い始めたところ中国人講師から「先ずは発音をマスターしてから文法を学ぶように」と厳しく指導され、その通りに発音を徹底的に練習しました。

    そのお陰で簡単な内容は通じるようになったんです!通じると楽しいからどんどん学びたくなっていくというプラスのスパイラルに入り2年で短い文を繋ぎ合わせてちょっとした中国語会話ができるようになったんです。

    ですが、どんなに頑張って聴いても違いが分からない発音が何種類かあり、どんなに頑張って発音しても中国人講師からOKが出ず、どうしようもないので諦めていました。

    その後、日本に帰国し中国語から離れていたのですが、日本語音声学の授業で、教え方が上手い講師が、顔の断面図を見せながら日本語・英語・中国語・韓国語との比較をしてくださったんです。その時に、ようやく長年の謎だった似て非なる中国語の発音が100%理解できたんです!

    当時細々と続けていたオンライン中国語スクールの講師に確認して貰うと「100%通じる発音になっていますよ」と合格点を貰えたんです。これは、私にとって快挙でした。

    18歳(大学1年生)で挫折した中国語を38~40歳(中国駐在)で、ある程度克服し、45歳(日本語教師資格講座)でモヤモヤした部分が明確化した、というプロセスは自信に繋がりました。

    簡単な会話をしたくても、発音が通じなくて挫折するのは中国語だけではありません。英語でも同じことが言えます。45歳当時、私は英語を使って仕事をしていましたが、発音の細かい違いを説明する自信がありませんでした。ですが「日本語音声学」を受講したお陰で、絶望的だった中国語の発音ができるようになったのだから、英語の発音指導もできるかもしれない、と自信に繋がりました。

    その自信の背景には顔の断面図の理解(唇の形・舌の位置・顎の開き方)だけではなく、呼気の強弱による有気音・無気音の理解もありました。

    英語発音の専門書を3冊買い揃え熟読し、2015年からオンラインで発音指導を始めて今に至る、というわけですがSEさんには私が駆け出しの頃から継続受講していただき本当に感謝しています。

    短いフレーズの連結でも正しい口の形ができなければ発音はできないと分かりました

    SEさん

    Elena先生のアドバイスのおかげで最後の1文はクリア後、P12全文音声クリアに挑みましたが、そこでは「thin and frail」に苦戦。

    Thやnなど短いフレーズの連結でもいかに正しいポジションを通過させなければいけないか、また語末の/l/においては意識し過ぎ「自然な口」になっていないなど細かくチェックしていただきました。

    再度全文の音声認識をやってみたら2箇所NG「have」→「am」と「that」→「the」に。もう一息!と合格出来ず来週に持ち越し~っ 
    本当に容易ではありませんが、頑張ります。

    今日もありがとうございました!

    講師Elena

    あと一歩ですね!

    thin and frailはずいぶん前に合格しているので、今回認識されなかったのは不思議ですね。定着させたはずの口の形が崩れているのかもしれませんね。 合格したときのレッスンノートを振り返り、間違っていた点と、どのように改善したらできたのか、を再確認してみましょう。

    その他の誤認識は意識をして正しい口を作るだけでクリアできると思いますので次回まで細かい点に注意して練習してきてください。

    追加事項ですが、発音は正確になってきましたが苦手な部分で速度を落とす傾向にあります。苦手な部分だけ遅く発音すると違和感が生じますので、遅い部分に全体を合わすという対策をとるのも良いでしょう。

    全体を遅くすることに抵抗があるのであれば、苦手な部分に焦点を当てて「取り出し練習」をしてください。単語は1語で正確に発音できても、他の単語との関係でいきなり発音が崩れてしまうことは良くあることです。

    単語単位だと単位が大きすぎるので「苦手な音素の連続」と捉えた方が良いと思います。今回、苦手な音素の連続を克服することで、次回から同じ音素の連続がでてきても難なくスムーズに読めるようになっていますから、今ここで苦労して克服するように頑張りましょう。

    Looking forward to seeing you in our next class(^▽^)/

    受講生SEさんの詳しいプロフィール

    20年前より参加している映画祭イベントでは毎年海外からゲストを迎え、話す機会がありつつ英会話力の未熟さを痛感。数々の英語教材を購入してみるも向上は感じられずに停滞。そんな中2015年ドーハで開催された映画祭サミットに日本代表として参加でき、やはりもっと自由に交流を楽しみたい!と意欲が再燃。そのころにはオンラインでの英会話スクールが色々出始めていて外国人講師との生きた会話や毎日英語を口にする重要性を体感。そして次に韓国の映画祭では審査員として参加するも自分の発音に確信がなく、「正しい発音」を習得したいと思っていたタイミングで出逢ったのがElena先生の発音矯正(2019,1~)です。その時も今も変わらぬ目標は、また海外の映画祭に参加してみたいですし、英語を使って色んな方との交流を深めていきたい!です。

    本レッスンは「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」を教材に発音矯正レッスンをしています。

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