スペルのngは発音記号の/ng/ではない?
以前にも書きましたが本日は”going”などに含まれる”ng”の発音についてさらに深く教えていただきました。
“ng”は発音記号で表すと /ŋ/となります。
ここで紛らわしいのは、スペルは二つなのに発音記号は“n“と“g“が
合体したような/ŋ/という一つの記号なんですね。
そしてここにはなんと、/g/の音は入りません!
ついついスペルとカタカナ英語のおかげで/g/の音を混ぜてしまいがちな下記の単語で本日は練習しました。
ring /rɪŋ/, king /kɪŋ/, song /sɑːŋ/, thinking /ˈθɪŋ.kɪŋ/
これらの単語の中にある/ŋ/は鼻から抜ける「ン(ガ)」の手前の「ン」のような音ですが、「(ガ)」まで発音しない方がいいんです。 破裂音の/g/ではありません。あくまでも鼻音の「ン(ガ)」です。
/g/との違いを表現するために敢えて(ガ)と記載しますが、実際には(ガ)と(グ)の中間的な音です。
単語の語末の/ŋ/は、(ガ)という音を出しても良いけれども、申し訳程度に軽く添える感じにした方がいいとのことです。
後続の母音と連結する場合は鼻音で「ン(ガ)」という音になります
sing a song は文中での連結
ng /ŋ/ と a/ə/ が連結して /sɪŋəsɑːŋ/ となります。
singingは単語内での連結
/ˈsɪŋ.ɪŋ/ は /ŋɪ/の部分で連結が起こり、鼻に抜ける「ン(ギ)」のような音になります。
この音素は特にカタカナ表記するのは困難なのでCambridge Dictionaryで実際の音声を聴いてみてください。
/ŋ/の音の作り方
この音は有声軟口蓋鼻音といって、後舌面を軟口蓋に接触させて閉鎖した状態で作られます。
鼻音なので呼気は口から出しません。
突然「有声軟口蓋鼻音」や「後舌面」など難しい用語が出てきましたが、音を作るために使う口の部位や、呼気の流れを
表すものなので知っておいた方が良さそうです。
今日は口腔や鼻腔の名称を、子音チャートと口の中のイラストを照らし合わせながら教えていただきました。
今まで発音本で見たことはありますが、何のことかさっぱりわかりませんでしたが、今日教えていただき理解できました。
難しい用語に思えますがレッスンで音がどう作られているのか、理解すると結構すんなり入ってきます。
鼻音の聞き分け
/ŋ/の他に、/m/、/n/も鼻音の仲間です。
/m/は両唇を閉じた状態で声を出す有声両唇鼻音で、/n/は舌先を歯茎につけて出す有声歯茎鼻音となります。
同じ鼻音でも/m/は唇、/n/は歯茎、/ŋ/は軟口蓋、とそれぞれ違う場所を閉鎖するんですね。
これらの音は聞き分けがとても難しいです。
3種類の鼻音は判別し難いので /m/は「ン(マ)」、 /n/は「ン(ナ)」、/ŋ/は「ン(ガ)」
のように子音音素の後に敢えて曖昧母音をいれて教えてくださいます。
単語内では(マ)(ナ)(ガ)の音は基本入れないそうです。
本日も深いところまで詳しく教えていただき、とても面白かったです。
表面だけなぞったレッスンではないので、いつもとても引き込まれます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします!