「真面目な発音」と「不真面目な発音」の違い
レッスンの初めにまず軽く先生と英語でその日にあったことなどを英語でお話します。
経理部員なので、今日は月次締め”monthly closing”で忙しかった。
と言おうとするも、うまく口が回らない… monthly はthからのlに舌を移動させなければならないため、口が忙しいんです。そこで、先生に相談したところ、「真面目に全部発音しようとしなくていい。」とのことでした。
発音を不真面目でいいとはどういうことなのだろう、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
この真面目に発音しているが故の英語の不自然さは前から自分も薄々感じていたことでした。
私の発音がいまいち不自然なのは一音一音きっちり真面目にだそうとしようとするからなのではないかと。
“monthly”という単語は子音のthとlが連続しています。対して、日本語は必ず子音consonant+母音vowel の並びなので
英語に於ける連続子音の発音はとても難しいんです。
連続子音は日本語に無いパターンなため自信が持てないからこそ、きちんと音を出して相手に通じるように話そう、
と思ってしまうんですよね。
一つ一つの音の出し方はわかったとしても、残念ながら組み合わせた時に自然につながりません。
発音の力の抜きどころ
ではどうすればmonthlyのthからのlを自然に発音できるのか??
monthly は発音記号で書くと/ˈmʌnθ.li/と表されます。/θ/ は 摩擦音 、/l/ は 側面音(側音)です。
摩擦音とは、息が続く限り出せる音、側面音とは舌の両脇から息と声が出る音を言います。
子音が続く場合、どちらかの子音が脱落するそうです。
(必ずしも音が消えるワケではなく音が弱くなるパターンや、小さい「ツ」が入ったような、詰まるような感じになる場合もあります。)単語と単語の間に脱落があるのは知っていましたが、同じ単語内にもあるのはびっくりでした。
さらに音節を見ると、monthlyは第一音節に強勢が乗り、第二音節は強勢が乗りません。
ここで、第二音節の/li/はそんなに大きい声で言わなくていいことがわかりますね。
ストレスが乗る/ˈmʌnθ/は逆に真面目にはっきり発音します。
一つの単語の中にもどの音を強調するのか優先順位があって、一番はもちろん、強勢がのる音節です。
そしてなんと、音節の中にも序列があって、1番優位が母音 2番目に優位が母音の前の子音、
3番目が母音の後の子音です。
/θ/と/l/の序列については、語末/θ/よりも、語頭の/l/に多少の重きを置く音になります。
それは/θ/が強勢が乗る音節であっても語末の音素なので勢いが弱まるからです。
音の世界にもランクがあると考えると面白いですね。この単語はth/θ/を弱めに言うといい感じになります。
音の出し方は一つじゃない
発音本を読むとthは舌を上下の前歯で挟む、lは前歯の裏に舌をくっつける…とよく書かれていますが、
毎回そのように音をだしていたら不自然なんです。
例えば、thは喋るスピードが速ければいちいち挟まないし、lは「明るいL」と「暗いL」があります。
喋るスピードや文章での使われ方、単語同士の組み合わせによって出し方が変わります。
発音は1+1=2 じゃないんですね。自分の英語の不自然さの原因がクリアになりました。
それと、英語の映画、ドラマを見ていてどうしても発音本の通りに言っているように思えない、
と感じていましたが納得がいきました。
どういうルールで音が変化するのか、頭で理解することは大事ですね。
発音の疑問について、先生の見解をお伺いできるのでとても助かります。
次回もよろしくお願いいたします!