本レッスンは「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」を教材に発音矯正レッスンをしています。
この記事を書いてくださった受講生様のプロフィール
イニシャル | SEさん |
性別 | 女性 |
年代 | 50代 |
職業 | ナレーター |
もっと詳しいプロフィール | 記事下をご覧ください |
弱母音の/ɚ/は「/r/を母音扱いした発音記号」だと学びました
今日は、教材「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」のP.24「You can go out and buy a 400-megaherts Pentium II, and this thing smokes it.」という課題文に取り組みました。
前回の宿題「単語と単語の間で起こる音声変化の分析」をElena先生に確認していただきました。
その際、アラビア数字の「400」やローマ数字の「Ⅱ」はアルファベットに書き直すようアドバイスを受けました。そうしないと、アルファベットでの音声変化が表現できないからです。
ここで「four hundred」のfourの発音記号には /fɔːr/又は/fɔɚ/と2種類の表記方法があり、どちらを採用するかは辞書によって異なるということを学びました。
どちらの表記方法も同じ音を表すのですが、/r/は子音扱い/ɚ/は母音扱いであるとのことなので、ここでは/r/を採用し、C+C(子音+子音)で/r/の弱化が起こると理解できました。
Pentiumは/ˈpen.tiəm/と表記されているけれど音源(アメリカ英語)では/t/が脱落していて、アメリカ英語ではこの現象が良く起こるとでした。
Cambridge Dictionaryのイギリス発音では基本の/t/がしっかり聞こえることを確認し、イギリス英語では/t/の脱落は起こらないこともご説明いただきました。
音声変化は必ず起こるものではなく、アメリカとイギリスでの違いだけでなく、個人差もあることを学びました。
SEさん
いつもレッスン受講と、感想文のご提出有難うございます。
pentiumの/t/の簡略表記は /ˈpen.tiəm/ですが、
精密表記は実際の発音に沿った音を表しており
①[pentiəm] ②[pent̬iəm]③[peniəm]
のように異なる/t/であること明確に分かりますね?
①Cambridge Dictionaryのイギリス英語:
基本の/t/で明瞭に発音 [pentiəm]
②Cambridge Dictionaryのアメリカ英語:
Flap Tで発音 [pent̬iəm]
③音源のアメリカ英語:
/t/が脱落した発音 [peniəm]
このように、/t/という概念の元に実際は異なる
音として発せられる音を「/t/の異音」と言います。
/t/以外の音素にも異音は有ります。
異音を認識し自分自身が発音できるようになると、
リスニング力が爆上がりしますのでお楽しみに♪
four は 辞書によって/fɔːr/または/fɔɚ/と表記されていますが
出す音は全く同じです。/ɚ/は「/r/を母音扱いした発音記号」
ということを押さえておけば良いですね。
four hundredという2語間の音声変化については以下の
ような考え方となります。
①/r/+/h/=C+C
→/r/を弱化させてスムーズに/h/に繋ぐ
②/ɚ/+/h/=V+C
→/ɚ/はそもそも弱形なので「弱化させる」と特筆
する必要はなく、上記と同様スムーズに/h/に繋げばよい。
辞書によって採用している発音記号が異なるという
状況は学習者にとっては混乱の元ですが、積極的に
理解すれば迷いも無くなり前進できますよね✨
「音の分析~改善」はラジオを分解して組み立てるのに似ている
その他V+V(母音+母音)で緩衝して起こる繋ぎの/w/は弱く発音する
ことや、andの/n/が脱落していることなども確認した上で、前回
練習した前半部分「You can go out and buy a」の復習に戻りました。
何を言っているのか聴き取れないくらいの速さで抑揚もなくダラダラと・・・と真似て練習しましたが、それ故おろそかになってしまった
部分(canの語末の/n/の舌の位置、二重母音outの/aʊt/の/a/の縦の広さ)等ご指摘を受けました。
音声認識されていても、早くても正しいポジションを意識する必要性を
再確認しました。またgo out の/t/を呑み込むように発音し、速度を
落として練習すると音がクリアになりました。
次に「400-megaherts Pentium II,」部分では数字は強形であり、/fɔːr/の
/ɔ/で唇を丸くすること、megahertsでは強勢箇所や/ɝː/は狭いアヒル口にすることを意識し直しました。
そして「and this thing smokes it.」箇所で、smokes itの間を連結をさせることやsmokesでの二重母音/oʊ/を確認し、音声認識した結果「Ⅱ,and」が「to end」に。
Ⅱがtoに、and がendと誤認識された原因は「内容語のⅡを弱く発音したため前置詞のtoと認識され、機能語のandを強く発音したためendと認識された可能性がある」とのこと。
「内容語は強形、機能語は弱形という原則通りにⅡを強くandを弱く発音してみてください」というアドバイスのように発音すると正しく認識されました。
またYou can go outまでの塊を意識すること、再度outのtが曖昧になってしまっているのでStop Tにするようアドバイスをいただき練習しました。
それぞれ意味の塊やどこを強く読むべきか意識し、最後には気持ちを込めて読むことが出来ました。
次回に向け流暢性を高められるよう練習を重ねたいと思います。今日もありがとうございました。
聴き取れないレベルの英語も低速で分解してみると
なぜ聴き取れないのかという原因が分かりますね?
そして、いつも取り組んでいるように単語レベルでの
発音の土台を作り(音素・音節・強勢)、2語間の
音声変化(連結・脱落・同化)を練習し、最後に
リズムと抑揚で仕上げます。
でも、ここで終わってはいけません。仕上げた発音が
無意識レベルでできるようになるまで練習を繰り返します。
更には文字を見ないでも発音ができる、つまり「暗唱」
も含めて取り組めば不思議なことに聴こえなかった音が
聴こえるようになるんですよね✨
音声が聴き取れない状態というのはラジオの構造が
分からない状態と似ています。
ラジオを分解すると様々な部品で構成されていることが
わかります。
先ずは1点1点部品の形状と働きを丁寧に確認します。
(=単語の中身である音素・音節・強勢を知る)
そして、先ずはユニット(小さい単位)を組み立てます。
(=単語と単語の音声変化を知り繋げる作業)
更にユニット同士を結合させて微調整を行えば、
完成品ができますよね?
(=複数の単語を繋ぎリズム・抑揚の微調整をする作業)
これらの工程を自分の手で行うことによりラジオ内部の
仕組みが理解できるようになりますよね?
(=音の仕組みが理解できると自分でも発音できる)
音声は目に見えないし手で触れることもできないので、
ラジオの構造を理解するよりも難度は高いです。
だからこそ、理解し発音でき、音が聴き取れたときの
喜びは大きいと言えます。
目に見えない音への飽くなき挑戦を続けることで
英語の音を自分のモノにしてしまいましょう。
それでは次回も、素晴らしい音読を期待しています!!
Good luck!
本レッスンで使った教材は「スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン」です。
生声CDと英語のスクリプトと対訳もついているので英語を学ぶ教材としてオススメです!
20年前より参加している映画祭イベントでは毎年海外からゲストを迎え、話す機会がありつつ英会話力の未熟さを痛感。数々の英語教材を購入してみるも向上は感じられずに停滞。そんな中2015年ドーハで開催された映画祭サミットに日本代表として参加でき、やはりもっと自由に交流を楽しみたい!と意欲が再燃。そのころにはオンラインでの英会話スクールが色々出始めていて外国人講師との生きた会話や毎日英語を口にする重要性を体感。そして次に韓国の映画祭では審査員として参加するも自分の発音に確信がなく、「正しい発音」を習得したいと思っていたタイミングで出逢ったのがElena先生の発音矯正(2019,1~)です。その時も今も変わらぬ目標は、また海外の映画祭に参加してみたいですし、英語を使って色んな方との交流を深めていきたい!です。